2024/09/17 コラム
特許権を侵害された場合の損害賠償請求
特許権を侵害されたときは、侵害者に対して侵害行為の差止請求と、侵害によって被った損害の賠償請求を求めることになります。
侵害行為の差止請求は、具体的には①侵害行為そのものの停止の請求、②侵害の予防の請求、③侵害行為を組成した物(物を生産する方法の発明については侵害行為によって生産された物を含む)の廃棄、侵害行為に供した設備の除却、その他侵害の予防に必要な措置の請求を行うことができます(特許法100条)。
他方で、特許権侵害を理由として損害賠償請求する場合、問題となる一つは、損害額の立証です。
特許権侵害が発生した場合、特許権侵害と相当因果関係のある損害額となると立証が困難です。
そのような事態を避けるために、特許法第102条は、各項で、損害の推定規定を設けています。
例えば、特許権者自ら、特許製品(携帯電話)を製造販売しているような場合には、以下の計算式で算出された金額を一般的に損害額として推定されています。
(計算式)損害額=侵害者の譲渡等数量×権利者の単位当たりの利益-権利者の実施能力を超えた部分に相当する金額
また、特許権者がライセンス契約を結んでいて自ら特許製品を製造販売していない場合には、以下の計算式で算出された金額を一般的に損害額として推定されています。
(計算式)損害額=使用料相当額(=侵害者の譲渡数量×権利者の単位当たりの実施料)