コラム

2024/09/21 コラム

宝塚歌劇団の劇団員|業務委託と雇用の境界

歌劇団では、入団から5年目までの劇団員とは「雇用契約」、6年目以降の劇団員とは「業務委託契約」となっています。

当時、亡くなった女性は入団7年目で、歌劇団との間で業務委託契約を締結していました。

遺族によると、女性が亡くなる直前1ヶ月の時間外労働は270時間以上にのぼっており、雇用契約であれば、残業時間は甚大な時間数となります。

しかし、女性は、歌劇団との専属契約であったこと、歌劇団側の指示命令に従う立場であったことなどから、女性は形式は業務委託契約であっても、その実態は雇用契約と解するのが法的評価になるものと考えられます。

この点、労働基準監督署は、宝塚歌劇団に長時間労働について是正勧告を行いました。

これは、稼働実態などを踏まえ、劇団員をフリーランスではなく、従業員と法的に評価してのものとなります。

厚労省による過労死ラインは、月80時間以上の残業のため、亡くなった劇団員はそれを大きく超える残業で、自殺をすることが仕事にあったことを推測させる十分な事情と言えます。

このような形式は業務委託契約でも、実質は雇用契約である事例は、枚挙にいとまがありません。

このような事案でお悩みの方は、労働問題に強いみずほ綜合法律事務所へお気軽にお問合せ下さい。

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